ウルムチのパズル

サウジアラビアの帰り道、新疆ウイグル自治区ウルムチに寄ってきた。

現地はとにかく寒く、帰ってから熱を出して寝込んだが、その後にネットで読んだものも含め、少し書いておこうかと思う。

旅程を組み立てたのは9月ごろだったが、10月くらいからBBCやロイターあたりのメディアがウイグル人の状況を大きく報じ始めたような気がする。大体以下のような感じだ。

NHKも7月ごろに取り上げていたようだ。

 

新疆のウイグル人口は大体1,000万人くらいのようなので、10人に1人が収容されているということになる。例えば日本の第二次大戦の犠牲者は人口全体の割合で5%も行かないので、まあこれが本当であれば観光客でも見ればわかるような影響があるかもしれないな、とは思った。

中国国内の観光地に行ったことがある人はよく分かるだろうが、既にあらゆる場所は観光地化され尽くされており、まあ食事をする以外に関しては、我々を含めた人民達は、共にその薄っぺらさというか、品のなさも含めて楽しむことになる。

新疆もそれが避けられる可能性は考えられず、大量に人も動くので、状況は何らかの形で伝わるだろうという気はしていた。

ということで、ざっと上にあげた4点のパズルを考え始めよう。

 

セキュリティ

UAEのシャルジャからウルムチまでは4時間のフライト。ちなみにウルムチから上海までも4時間とほぼ同じくらいかかる。飛行機は中東系のLCC、エアーアラビアだったが、大半の客は中国沿岸部の観光客で、ウルムチから国内線で各地へ戻るようだった。

入国の審査では大半が中国公民の方へ流れていく訳だが、ぱっと見中国人のようでも、それなりの数が外国人としてチェックを受けていたので、近隣国の国籍だったりするのかもしれない。

散々聞いてきたが、確かにセキュリティチェックが多い。

空港ではまず荷物チェック、いつもの指紋採取、その後にゴーグルのようなものを覗き込んで虹彩情報の取得、外に出るのにまた荷物チェック、という感じだった。最近開通した地下鉄でもチェック、街のビルの入り口は必ず荷物チェックがある。まあコンビニとか小さなレストランは普通に入れる。

アパート街などはおおむねブロックごとに囲われた入り口で、またメインストリートから一歩入ったような住居区(巷)も道を区切って柵が作られており、それぞれ認証を通らないと中に入れない。

テクノロジー的にはAndroidタブレットに、NFCのリーダーという感じで、「二代身份证」という中国人誰でもが持っているNFC機能が付いたカードをかざして出入りする。

もちろんカメラは至る所にある。

まあこれ、公共交通分野にはロクに投資しないアメリカ人とか、プライバシー重視の大陸ヨーロッパ人が最初に体験すると悪い意味で感心するのかもしれないが、中国のAppでの身分証の確認などを考えると想像がつくレベルだ。

街中のセキュリティチェックも、ウイグル人だけを狙ってというより、とりあえず機械に通しておけ、気が向いたら人力のボディチェックもするよ、という感じで、まあ中国全体がこの方向に向かっている中で、先に実現しましたというくらいには感じる。

空港などは比較的熱意をもってやっているが、全体としては安定の中国的適当さを保っている。

 

私は中国のAppも好物で、例えば今回の上海ではiPhoneSuicaのように交通カードを利用、チャージできるようにしてあるので、利便性との引換はどうしても肯定的な方だと思う。

ウルムチも紅山通というAppでQRコードを表示してバスに乗れるようになっており、入れてみたが身分証の認証が必要ということだった。

中国人のこういうテクノロジーへの熱意と、オンライン・オフライン問わず身分証はあらゆる場所で使われているので、どことなくこのような状況にも慣れてしまった気がする。


イスラム

モスクは街中にある。

まあサウジから来たので何も珍しくないのだが、2階がモスク、1階が商店街となっている汗腾格里寺など、中国に来れないと見られない気がして、なかなか興味深い。ウルムチに来た観光客は大抵写真を撮るのではないか。

2018年のストリートビューが以下の写真。

https://map.qq.com/#pano=35011041150908162827500&heading=269&pitch=4&zoom=1

以下は2018年8月の写真らしい。左側にセキュリティチェックの入り口が出来ている。

https://goo.gl/maps/xX7gSct7RUG2
※PCのみ

で、私が訪ねた際は道路に面した部分の入り口にもセキュリティチェックが増設され、黒色のより高い厳重な柵になっていた。

半年くらいでかなり厳重になったということのようだ。

言われるようにモスクが閉鎖されているのかはよく分からない。中庭や1階の商店街には問題なく入れた。他のモスクも概ね似たり寄ったりの感じだったが、確かにどこも人がいなかった。

ところで、中国の他の地域、例えば蘭州牛肉面の甘粛省イスラム教徒は多い。回族と呼ばれ中国語を話すムスリムがいて、ウイグルのように独自言語のムスリムとは異なるのだが、こちらの方はどうなっているのだろうか。

 

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上の写真は最近開通した地下鉄の風景だが、このようにほとんどの看板などは中国語とウイグル語で表記されている。ちなみに現代のウイグル語も色々と複雑らしく、

中国のウイグル語等のムスリム少数民族の言語は、かつてはソ連の影響でキリル文字化が図られ、中ソ国境紛争後はさらにソ連との違いを明らかにするためにピンイン風のラテン文字正書法が行われたが、1980年代の民族政策の転換によりアラビア文字が復活された。なお、現在のウイグル語で用いるアラビア文字はアリフ、ワーウなどに点を付加した文字を用い、8つある母音の全てを書き分ける独特なものである。

とのこと。

iPhoneウイグル語の入力を追加できて、バスの中でふと画面を覗き込んだらWeChatで中国語のあとウイグル語だったようなことも結構あった。

 

街の印象

省の博物館に足を延ばしてみる。無印良品も入るショッピングモールの向かいにあって、各少数民族の紹介などがあり、比較的冷静に解説してある。

新疆は乾燥しているので、良い状態のミイラがよく出ることで有名だ。また、特別展として中国で初めて考古学の共同調査を海外とやったのが日中合同の「ニヤ遺跡」調査らしく、30周年記念の展示をやっていた。

全体的に抑制の取れた展示だが、まあもちろんウイグル人独立運動の歴史などはあまり出てこず、漢民族の各王朝とこの地が深い交流があったことを示す展示品が多い。展示されるものと、されないものという区分が現在の「党中央」の歴史観の枠組みと合致するような感じだ。
 


観光の漢族の人たちに、この状況はどう映っているのだろうとも考える。

ロイターのレポートで、モスクを再利用した水タバコと酒を提供するバーが取り上げられている。まあ確かに、自撮りするには良い場所なのかもしれない。

新疆民街の北側あたりが豪快に空き地になっていて、これも元々はウイグル人街だったところの再開発だろうなという感じだった。テンセントの地図サービスで在りし日が見られる。

https://map.qq.com/#pano=35011003130821133043500&heading=110&pitch=-1&zoom=1

こういうのは自分の場所でもしばしば起きていることではあるので、国内観光客はあまり違和感を持たない気がする。

現地社会に同化すればするほど、少数派への眼差しは多数派が持つものと同様になっていく。まあ例えば以下のような感覚が根底にあった上で、区画整理を見ているはずだ。

そう言えば、最近見かけなくなりました - 芙蓉峰の如是我聞

 

食事

阿布都西克尔・热合木提拉さんが社長らしく、名前で検索したら、二道桥清真寺の伊玛目(これでイマーム)の人が出てきたが、同一人物なんだろうか。

二道桥清真寺_百度百科

ハッジ巡礼で気に入ったのか、いろいろと想像すると面白いが、こうやって中東イスラム世界との繋がりを感じるのは興味深い上に、美味しかった。

 

食べ物に関してはこの人のBlogで予習していたのが役に立った。

帰ってきて見てみたら、今の新疆では当局が外国人を追い出しきったので、英語教師なんて無理だ、という追記が出ていた。

How to Teach English in Xinjiang, China | The Ultimate Guide

 

強制収容所

強制収容所に関しては、正直なところウルムチを1日歩いた程度で何か分かる訳がない。

ただ、100万人説に関してはBBCのサイトで算定根拠が出ていた。まあこれも、やると決めたらあっという間に巨大な建物を恐ろしい勢いで作ってしまうという、いつもの中国の話ではある。

Wikiにも詳しい。

Xinjiang re-education camps - Wikipedia

 

ちなみに算定したのは以下の人らしい。

Adrian Zenz (@adrianzenz) | Twitter

 

What is China’s goal with the re-education camps? What would Beijing’s ideal outcome in Xinjiang look like? の回答が、街を歩いた実感でもあるので、以下に引用しておこう。

 

政府としては、イスラムの少数派がまずは民族文化的なアイデンティティで、そして社会理念の面で同化された状態が理想です。少数派は、中国の多数派である漢民族の文化や言語とも密に統合されていなければなりません。中国語にも十分堪能で、中国の一般的な社会生活に溶け込んでいる限り、許される範囲で文化習慣の違いを保ち、独自言語を使えるということです。

 

さらに政府としては、宗教的少数派が共産党とその方針に第一の忠誠を誓うことを望んでいます。中国人民として、宗教などのイデオロギーはあくまでも副次的なアイデンティティにとどまるべきであり、表面的な宗教的習慣や他の習慣は、それらが党の教義に従順である限りは続いていくかもしれない、というところです。

 

最後に、ウイグル人をはじめとする少数民族は、党に反対したり、象徴的な抵抗運動をしたりすることさえ夢にも思わないほど徹底的に脅迫されています。 再教育キャンプは、これまでにない強さでこれらの目的を達成できるよう、特別に設計されています。

 

最後に、日本に戻る空港で読んだのだけども、なんとも溜息がでる。

 

ウイグル族と思しきALBAiKのマネージャーさん、これからも頑張ってほしい。

日本版Surface Goの価格は「妥当」か、中国編

中国でSurface Goを買って、今そこから書いている。

Windows10から言語の設定は扱いやすくなり、表示言語の変更や追加が自由になったため、どこの国で買ってもあまり大きな差はなくなってきている。

アメリカでは$399で出たeMMCの安いほうのモデルだが、ざっとサブノートとして利用する分には全く問題ないレスポンスだ。初代Surface RT以来のSurface購入となったが、当初考えられていた形で正常進化しているという感じがする。以前私は出先でPCが必要だった場合、LenovoMiix 2 8というものに軽量BTキーボードを持って行っていたので、eMMCやスペックに関しては全く問題を感じないが、少し重くなったとは思う。

中国のキーボード配列は基本的にアメリカと同様のものを使うので、英語キーボードが欲しい場合は悪くない選択肢となる。日本ではSurface Goは全てOffice付属モデルとなり、アメリカと比べ高額だとの批判が多くあったが、中国版は日本同様Office Home and Student 2016の永続ライセンスで、且つ値段が安い。本体は2,998元(4万9千円)、高いほうのキーボードを合わせても6万4千円ほどの買い物となった。技適マークもちゃんとついている。日本だと8万ほどか。

少なくとも中国市場との比較において、以下のようなOfficeが永続ライセンスだから値段に妥当性があるというロジックは破綻している。まあ中国でのOfficeの海賊版対策か何かかも知れないが。

「Surface Go」日本版は本当に高いのか Office付属は妥当なのか (1/2) - ITmedia PC USER

ASCII.jp:日本版Surface Goの価格が「妥当」といえる理由 (1/3)|Windows情報局ななふぉ出張所

一応競合も考えたのだが、最近のMacノートは高額すぎて手が出せない。全て良い端末だとは思うし、哲学として、ある程度1台でも完結でき、且つフルピッチのキーボードを提供すべきだという感覚もわからないわけではないが、1,000ドルを軽く超えると日本円で見たときにかなり高額な印象だ。

一方価格で見ると、小米のMi Notebook airあたりはよい選択肢になるが、キーボードを含めて550gほどだったMiix 2 8からの移行では、1kg以上はもう辛い。

ちなみに軽さで言うと富士通のLIFEBOOKなどもあり、700gを切りSurface Goより軽い。社内で標準PCとして選定されていたので触らせてもらったが、悪くない。ただし、個人で買おうとすると25万円だ。日本メーカーはすごいが、こんな自己満足的なPCを作ってどうするんだという、私としては圧倒的に中国人寄りなのである。

とはいえ相変わらず中国は謎で、今回は上海の永楽電器という全国展開しているありふれた家電屋で買ったのだが、カードの支払先が「江西余江县水务有限公司」となっていた。金額はあっているのだが、漢字から推測するに、江西省余江県の水道サービスか何かの会社宛てに支払いを行ったことになっている。

債権の何かなのか、なかなか興味深い仕組みだ。誰かこの仕組みを知っている人は教えてほしいが、これでは購入証明にならない気がする。Invoiceが要るか聞かれて、要らないと言ったらこんなザマなのである。保証も効かないだろうに、面白がっている場合か。

韓国に行く前の話

韓国経由で嫁を迎えに大阪へ行くことにしたので、ソウルに行く下調べをしていた。

まあサウナに泊まって、ダンキンドーナツと辛いちゃんぽんを食べて帰ってくるくらいだろうけども、気分転換にはなる。

飯はこのBlogが昔から面白い。

 

自分が最後にソウルに行ったのは、写真によると2009年らしい。車で東京から釜山に渡り、韓半島をぐるっと一周した。当時はまだソウルの新市庁舎、東大門のデザインプラザ、サムスン美術館あたりの最近の建物は出来ておらず、見てみたいが、国立近現代美術館の企画展も面白そうだ。

 

あとは両替周り。韓国は現金の両替所を丁寧に探すとレートがいいようで、この値段をリストするAppが大変よくできている。

一方で、BitCoinも随分流行っているようなので、取引所の登録をしてみたが、なかなか外国人にはハードルが高い。

ちょうど年末くらいに、規制強化で非居住の外国人や未成年者の利用を禁止するという話が出ていたが、すでに大半の取引所は本人認証が厳密にされているようだ。

 

韓国のインターネットは昔から個人認証が厳格で、エアブサンここにあるように、携帯電話番号の認証か、I-PINと呼ばれるユニーク番号のようなものを使う。

一応パスポートのみで携帯の通話SIMが買えるので、日本よりもリードしているといえるのだが、このSIMでは番号認証が通らない。日本でいう中長期在留者のみが外国人登録できて、その登録証でSIMを買って初めて番号と名前のデータベースに登録され、認証が通るようになる。

韓国のI-PINを取得する方法というサイトが詳しく、大変興味深いが、なかなかここを突破するのは面倒そうだ。

 

あとはBitCoin ATMがいくつかあるだろうが、手数料が高そうなので、あんまり使う気がしない。

韓国は仮想通貨に日本以上のプレミアムがついていて、たとえば今日の時点で

coinbase $14,544.02=1,637,656円
BitFlyer 1,777,796円
KORBIT 20,949,500ウォン=2,220,018円

と、だれか韓国人を捕まえて個人売買するのが正直よさそうな感じもする。

 

梨泰院にビットコインセンターというものがあって、通常は会員制だが週末にオープンハウスをやっているようで、ここで誰かに声をかけるのが早いかもしれない。

Home - Bitcoin Center Korea

 

で、このサイトにあるチームメンバー一覧を見ていたのだが、まあほんとにこういうことに興味がある韓国人は一様に優秀そうで、高卒の私にはつらい。

ほぼ海外と韓国を行き来していて、学位は海外と韓国みたいなレベルが最低限、という感じで、人材レベルでは日本と大分差がついたなあと思わせる。

一方でコンビニのバイトなんかはスマホを見ながらラフな接客、という感じの社会だった気がするが、そのあたり行ってみてちょっと観察してみたいところだ。

父親を超えられない社会

データえっせい: 父親を超えられない社会
http://tmaita77.blogspot.jp/2015/10/blog-post_8.html

この筆者とほぼ同世代なので、全く同じことをつらつらと考えていたのだが、こうやって数値に出てしまうのはなかなか興味深いと思う。

私は祖父、父親もサラリーマンなのだけども、時々彼らの人生がどういうものだったのか考える。私自身が中年になった今、概ね先が見えてきたこともあり、比較もかなり容易になりつつある。

 

まず祖父の時代のサラリーマンというのは基本的にかなり上の階層だ。戦前は日本の半分くらいが農業だったのだから、乱暴に二つに分けたら資本家層の方に属するのだろう。

祖父は役人の肩書きをもらったりして徴兵を忌避したり、愛人に子供を産ませたりと、まあ大阪もそんなに悪くなかった時代を生きられた人だった。今でいうと会社役員クラスのようなイメージになる気がする。人口比で上から1割程度のところに入っているわけで、今の私からすると全く手が届かないレベルだ。

 

そして、父親団塊の世代の典型例だ。

役所には入れず、大阪の中小企業のサラリーマンとしては中の下くらいのところだったと思うが、自分の人生と比較して大きいのは、バブル時代の果実を一定のレベルで味わえたことと、不動産で損をしなくて済んだという二点に尽きると思う。

父親が定年退職した年に私は会社をリストラとなり、同じ年に二人して退職金をもらうハメとなった。そんな20代の終わり頃、私の月給はお飾りに部長にしてもらった父親の月給を超えていたのだが、彼のバブル時代と概ね同年代となった今、当時の年収には全く届かない。ここがバブルの凄さだと思う。

 

平均的なところでいうと、働き方や能力という面では、明らかに現代の方が高度で且つよく働いていると思われる。何より速度が上がっている中で働かざるをえない。ボラティリティも高いので、仕事を失うこともある。

昭和の時代、フジ三太郎という4コマ漫画が朝日新聞に連載されていたが、一時期J-CASTニュースに復刻して掲載されていた。これが当時のサラリーマン気質を最もよく表していると思うが、今見ると現代の職場とこれほど違うのかという気がして興味深い。まあ平均的なレベルでは気楽にやれていたのだ。

そして、大阪の郊外に狭い家を買ってなんとか損せずに済んだようだが、正直今の時代に家を買ったらきっちりと価値が下がっていくので、数十年後の時点で金銭的なメリットが得られるなんてことは考えられないだろう。

 

夏休み、メキシコから嫁の両親と親戚が来たので、AirBnBで湾岸のタワマンを1-2週間ほど借りてみた。住人を観察しながら思ったのは、この人たちはまあ資産家ではなく雇われ人で、一昔前は世田谷くらいに頑張って建売を買ったような位の層なんじゃないか、そして彼らは団塊の世代とほぼ同じことを繰り返してなんとかなると思っているのではないか、という感覚だった。

タワマンに住む人はお金持ちではない?
http://kanemochi.kyokasho.biz/archives/2160

局地的にここだけが昭和というかバブルというか、買っても損しないだろうという集団催眠のような状態になっていたので、実際湾岸のタワマンの中で住み替えて得をしているような人もちらほらと見かける。


が、今から頑張ってマネをしても遅すぎる。基本的に不動産は将来の収益価値ベースの値段に収斂していくし、私のような一般人までおこぼれに預かれるような可能性はほぼないと言っていいと思う。

そんなことから、今回のデータえっせいの回答のように私も「父親を超えられない」と答えるだろう。残念ながら、超えていない。そして祖父も超えられない。


3代続いてシュリンクしているのは哀しいところだ。

海外発券でフライトキャンセル!TripstaとかeDreamsはどんな対応?

最近航空券を買おうとするときは、とりあえずSkyscannerで横断検索して、後はLCCのサイトをいくつか見て概ね見当がつく感じなので、以前よりも色々と調べなくなった気がする。

Skyscannerの最安値はTripstaとかeDreamsなどが多く、グローバルでチケットを売っているような代理店に誘導されるケースが多い。大半の場合はそのまま発券された便に乗るだけだが、今回航空会社のスケジュール変更があったのでそれぞれどんな対応になったかをメモしておこうと思う。

 

この2社、「ネットで酷評」とか「ひどいサービス」などたくさんのネガティブ記事があるが、実際のところ手馴れた感じで変更してくれた。トラブル事例を探している人には申し訳ないし、日本の旅行会社の方が良いよという結論にはならなかったが、いろいろと微妙な違いがあることも事実なので、何かの役には立つかもしれない。


□購入

サイト上からそのままカード決済で購入。ユーロがBrexitで暴落したからか、メキシコ行きの最安値がヨーロッパ経由となっていた。行きは同行者と別々、帰りは同じ便で押さえる。

Tripstaはギリシャの、eDreamsはスペイン・バルセロナの会社なので、それぞれの国で予約が入るのかと思ったら、eDreamsはイギリス発券のようだった。Tripstaはユーロ建ての請求、eDreamsは日本円でのカード請求となったので、その辺りの関係かもしれない。

Tripstaは予約で即発券とならず、多少のラグがあった。サイトでも48時間かかるケースがあるという案内がある。まず自社の予約番号のメールが来て、航空会社の予約番号とチケット番号が記載されたメールが20分後に来た。一方、eDreamsは予約で即発券、航空会社の予約番号とチケット番号が来た。


□予約の確認

予約の状況を調べるには、各航空会社のサイトにある予約確認のページを使えばいい。「1A2BCD」みたいなのとか、エールフランスだと「0571234567890」というような多少長い番号があったりするので、これと姓(Yamada)でログインする。ここで表示される旅程がオフィシャルなものだと思えばいいと思う。

エールフランスの場合、どの国のサイトでもログインできるが、情報の変更は発券国のサイトのみ可能ですという表記が出て、それぞれの国に飛ばされる。GBはイギリス、GRがギリシャとURLに出て、ここで国が分かる。

オンラインチェックインなどが便利になるとかいろいろ理由はあるが、まあ旅程を見て気分を盛り上げるためにも各航空会社のアプリを入れて、旅程を突っ込んでおくと良い。エールフランスのアプリは主にスト情報を通知してくるだけだったが(さすがフランスだ)、フライトのキャンセルも起動時にアラートが上がるような仕組みになっていた。

航空会社は概ね季節ごとのダイヤがあるがざっくり春夏と秋冬となるケースもあり、10月か11月あたりをまたぐと時間変更が発生するケースがある。今回、年末のメキシコ行きを6月に押さえたのだが、9月に変更情報が上がり、フライト便名も変わったことから、一旦便がキャンセル扱いとなったようだった。


□予約の変更:エールフランス

今回はアプリで表示された「コールセンターへの連絡」の番号が日本のものだったのでかけてみたが、基本的に日本では対応できないというだけ。あとで調べたら羽田便の便名変更もあったようで、日本側でも容易に状況の想像はつきそうなところだが、情報も特にくれなかった。まあ管轄外、ということなんだろう。

基本的に航空券の予約変更は旅行会社経由となる。場合によっては発行国の航空会社オフィスでも対応はしてくれるようだが、日本の問い合わせ窓口は全く対応してくれないことがわかった。


□予約の変更:Tripsta

Tripstaの問題は、サポートが英語となることと、チケットの購入時にサポートありかなしを選ぶ項目があり、今回は「有償顧客サポート: JPY0」を選んだことだった。

チケットのみが含まれる低予算サービス - 当初の予約から変更や追加をするつもりがないお客様向け。このサービスの選択により、顧客サービスは含まれないことになります。あらゆるリクエストは、乗客1名当り最低¥5,500の料金 (および航空会社のあらゆる追加料金) がかかることになります。起こりうる変更の例には次のものが含まれます。

と記載されていて、文字を読む限りでは有料となってしまう。

Tripstaの予約状況を航空会社のサイトで確認すると、行きは問題なし、帰りがメキシコシティからパリのフライトが表示されず、パリから東京のみ表示されている状態となっている。03から始まるサポートへ電話。英語のみの対応だが土日も24時間受け付けているらしい。

インドかな、という感じのサポートだったが、Tripstaと航空会社の予約が異なる状況はさらっと理解してもらい、メキシコシティ発は翌日の便、パリにも24時間以上滞在できる旅程を提案される。航空会社へ確認するのでメールで連絡するということで終了。
金曜の午前中に電話して、メールは月曜日の夕方に変更の確認を求めるメールが届いた。メールの署名にある名前で検索したら、Tripstaで働いているというLinkedInのプロフィールがあって、どうやらルーマニアブカレストでやっているらしい。土日は休みでヨーロッパ時間の朝から動くのだろうか。

問題ないと返信したら、数時間後には変更しましたというメールが来た。多少のラグはあったが、無事航空会社の予約情報にも反映される。追加の請求も(今のところ)なく一安心。


□予約の変更:eDreams

eDreamsはもう少し優秀な予約変更で、航空会社側の旅程ではメキシコシティから東京まで翌日の便で予約が入っていた。ただし、パリのストップオーバーが23時間から5時間ほどになってしまっていて、ほとんど滞在ができない。
Tripstaと同じ便にしてもらえることを第一希望として、こちらもサポートに電話する。

こちらは日本語のオペレーターに繋がる。ちょっと旅行会社の人の日本語は独特な感じがするが、そのレベルの違いしか感じず、「往路・復路」とかもさらっと話していたので、この時点では正直なところ日本人かどうかも分からなかった。
出発を6時間ほど繰り上げて、パリ滞在12時間程度の旅程を提案されるが、Tripstaの変更の話をして24時間以上の滞在をお願いしてみる。トランジットからストップオーバーになるので渋られるものの、航空会社に確認してみますとのことで、一旦電話は終了。

電話は火曜日の朝にかけ、翌日の昼ごろに航空会社のOKが出たと電話があった。着信の番号が+86で、中国からかかってきた。前回の人よりは中国人っぽい感じの話し方だが、十分丁寧でわかりやすい。
こちらも半日ほどのラグで航空会社の予約が差し変わっていた。

 


まあ海外に行くのは何かしら異なる経験をしたいからでもあり、交渉も旅行の一環みたいなものだろう。時間の余裕があって安いのであれば、積極的に使っていけばよいのではないかと思う。

支付宝で映画を見よう

Apple Payにはなんだか振り回された感じだったが、支付宝は見事に定着していて、なかなか便利なのに感心する。地下鉄のカードにチャージする機械も、支払い用のバーコードを読み取らせて、支払い完了。コンビニも手馴れた感じで支払いが済む。

 

支付宝の中に映画のメニューもあり、ちょうど良い時間潰しになりそうだった。入って作品を選ぶと、各劇場の値段が表示される。中国は日付と時間でチケットの値段が完全に異なる。近場で見てもいいし、少し遠めで安いところに行ってもいい。

サクッと支付宝で購入と支払いを済ませる。座席もサービスの中で選択できた。完了後はこのような感じで番号と2次元バーコードが表示される。

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劇場ではチケットの引き取りとなる。チケットカウンターとは別で、各映画サイトが用意した引取機が置いてある。正直中国に劇場が何館あるのか知らないが、きちんと各劇場の座席予約システムとつながり、簡易に発券できるように機械を置かせてもらうディールを結んでいるところがさすがだ。

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よくこんな投資が出来るなあと、なんとなく身につまされる。投資とリターンを考えると、簡単に踏み切れる話ではない気がするが、中国のアプリビジネスへの投資額は大きく、市場はどんどん便利になっているので、ここまでやり切れるのだろう。

チケット代は35元に1元のサービス代。劇場で購入する場合、定価90元、会員価格35元と表示されていた。

今回は支付宝をやっているアリババグループ、淘宝电影経由だ。そこに先ほどのバーコードか番号を入力すると、チケットが出てきた。

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見たのはチャウ・シンチーの「美人魚(マーメイド)」。公開後2週間ほどで485億円突破と、中国最大のヒットとなったそう。

まあアホらしい映画ですが、言葉が分からなくても楽しめるので良いかと。


美人鱼 Mermaid (2016) 中文预告片

中国でApplePayを使ってきた

Apple Payが中国で始まった。アメリカ、イギリスの銀行口座開設は旅行者には難しいし、カナダとオーストラリアはAMEXだけのサポート。一方、中国ではパスポートと携帯番号さえあれば誰もが口座を開設できるので、旅行者でもApple Payが気軽に使えるようになる。

 

SIMカードに関しては、空港でも街中でも店は山のようにある。身分証が必要で、中国人が持つ「身份证」が必要と言われて断られるケースもあるが、外国人が多い場所であればパスポートでやってくれる。マニアならTaobaoで謎のSIMカード「0月租手机卡」を買って見たり、「二手手机市场+地名」で検索して出てくるような場所へ行って聞いてみれば、いいのが見つかるはずだ。

中国もMVNOがそこそこ流行っているようで、安いプランのものがあったりするのだが、残念ながら国際ローミングができず、日本で使う決済用途にはあまり向いていない。通常のキャリアのSIMなら大丈夫だろう。

 

あとは銀行に行って、口座を開こう。ICチップのついたカードをその場でくれるので、暗証番号は6桁、住所はホテルにしておけばOK。武漢でも上海でも最低限の英語でなんとかなる。

 

iPhoneの設定も簡単で、設定の一般>言語と地域でアメリカを選ぶと、設定TOPに「WalletとApple Pay」という項目が出てくるので、ここから設定する。

カード番号を入れると、銀行で登録した電話番号にSMSが来るので、この番号を入れたら登録完了。画面にカードが表示される。これで準備完了だ。

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Apple Payが使える場所はコンビニやらファストフード、コーヒーチェーンあたりだ。NFCの非接触支払いでは、QuickPass(闪付)という仕組みがあって、これと互換性があるとのこと。以下のロゴが目印だ。

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AppleStoreの店員に聞いたら、ウチでも使えるし、向かいのCOSTAとかで使えるよ!とのことで日本よりもはるかに高いコーヒーを渋々頼んでみるが、店員にダメと言われて使えなかった。
ファミリーマートもQuickPass端末があったのだが、どうも上手くいかない。地下鉄の駅の自動販売機もQuickPassで、iPhoneは反応するものの支払いでエラーが出て買えない。


結局もうだめかと諦めて空港で土産を買って、最後にもう一度試したら無事完了のマークが。どうもQuickPassだと単に銀行のデビットカード扱いになるようで、銀行の暗証番号を入力し、これで決済完了。なんだか全くスマートではない。

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店員は誰一人成功すると思っておらず、どよめきが上がっていたが、まあ新しい物好きの中国人のことだから、あっという間に普通になるのだろう。

 

ということでApple Payはもうひと息という感じだったが、支付宝は想像以上に便利だった。次回に続く