年末気分を感じる読み物

経済系のサイトに妙に読み応えのある記事が出てくるようになってくると、なぜだか年末の気がしてきて、この一年を振り返りたくなってくる。 ふと読んだこれも、最近の日本経済をうまく総括している感じで、少し立ち止まって考えたくなる記事だ。これから書く…

物価高をスイスで考えた

NYに続いての物価高見学記パート2は、世界一の生活コストで有名なチューリッヒだ。スイスは昔からなんでも高かったが、最近のレートで円換算すると本当に大変なことになっている。 なんの変哲もない街の写真だが、車の広告を見て欲しい。 スイフトがCHF19,99…

旅の宿と食事雑感

(こちらの記事から続きます) ヨーロッパからアメリカ経由で戻ってくると、ああ、ファストフードのドリンクカップがデカくなったな、という感じで、明らかに食生活の差を感じて面白い。メキシコはアメリカをさらに悪化させたような感じなので、ソーダファウ…

セルビアとモンテネグロ

バルセロナ空港で、やたらと奥の方にあるベオグラード便のゲートへ進んでいくと、少しずつ周りに違和感を感じ始める。 周りの人が妙にデカいのだ。スラブ系の顔つきと、男性に角刈りが多い感じがロシアっぽいが、高さが違う。どうやら、この辺りの人たちは平…

EDIFIER W820NB Plus

EDIFIERのヘッドホン、W820NB Plusを買った。どこかで聞いたメーカーだなあと思ったら、20年ほど前にドスパラで買ったPCスピーカーがこのメーカー製だった。数千円の品物だが「この価格帯の音ではない」とネット上で妙に評判が高く、私も何年か使っていたこ…

中国は日本化しない

中国の "日本化"による衰退を示唆する論調は、教育という観点を見逃している 中国の経済的ジレンマは1990年代の日本のように見えるかもしれないが、その違いは非常に大きい Photo: CGTN / YouTube Screengrab Days and nights in KyotoDays and nightsNight …

ニューヨーク限界旅

15年ぶりにニューヨークへ行ってきた。今時、全てが目玉が飛び出すくらい高いニューヨークに行こうとすると、3つの限界に挑戦するしかない。 限界便 限界宿 限界飯 もはや何かの苦行のようなものに近くなってきたが、一応の目的はVRグラスを買うということに…

最近、北米線だけなぜ航空券が高いのか

メキシコから日本へのフライトを常にウォッチしていると、コロナ前に比べて、航空券が高いのは当然という感覚になっているのが腹立たしい。 北米からの航空券が、少なくともドルベースでは概ね価格が戻りつつある一方で、北米から日中韓の北東アジア、タイや…

Pixel 7aの北米版(GWKK3)は、モデル番号を変更するだけでSuicaが使えるようになるよ、という話

Androidの海外端末はおサイフケータイが使えない、NFC-F/Felicaへの対応はハードウェアレベルで、というのが今までの定説だった気がする。例えばここ最近私が使ってきた端末の Google Pixel 3a や Xiaomi Mi 11 Lite 5G は共に日本でも発売され、日本版はお…

The Slow Train South to Mexico City

By John PerrottaNovember 9, 1986 テキサスからメキシコシティ行きのフライトはキャンセルした。2時間弱のせわしないフライトよりも、ゆっくりと過ごすことに決めたからだ。列車の車窓から眺めるメキシコの風景は、旅の始まりにふさわしいとも思った。28時…

ティファナとサンディエゴ

メキシコとアメリカの国境を歩くシリーズ。 シウダー・ファレス&エルパソに始まり、レイノサ&マッカーレン、ヌエボ・ラレド&ラレドに続く4か所目として、大本命のティファナ&サンディエゴに行ってきた。 中国と香港・マカオ国境、シンガポール・マレーシ…

迷い込んだ気分になった町

カンクンなどユカタン半島にある観光地は、ビーチを目指してカナダとかアメリカ、ヨーロッパから大量に人が来るのだが、パッケージには大体オマケのようにマヤ文明の遺跡ツアーが付いてくる。 ビーチのオールインクルーシブで呆けているだけでは充実した休暇…

コロナ検査の右往左往

手元にコロナの抗原検査キットが3つある。アメリカの入国に求められるコロナの陰性証明書のため購入したものなのだが、キットはアメリカから日本、そしてメキシコへ使われないまま運ばれることになった。コロナにまつわるドタバタも含めて、経緯を書き残して…

大阪とか選挙とか

先月、諸々の手続きの関係もあって、家族で日本に戻っていた。今回戻らないと、翌週から手続きに10万円余計に取られるようになるとか、予約変更をしたら数万円かかるとか、実質的な金銭被害が明確に見えてきていて、まあ来るなと言われているのは分かってい…

メキシコシティのエピクロス

BY ALAN GRABINSKY知の普及に尽力してきたダニエル・ゴールディンは、今、様々なメキシコ人達に向けて、読書や休息、遊びを楽しめるパブリック・スペースを作ろうとしています 立った耳、分厚いメガネに後退した生え際。ダニエル・ゴールディン氏(右写真:D…

メキシコ中間層の苦境

よその国にちょっと住んだくらいで何がわかるのかとか、旅行してどうするんだというのは、まあ概ね正しい批判だと思うし、そもそも偉そうにわかった気になって語るのは恥ずかしいものだ。とは言え、それでもやらないよりやったほうが良いのは、物事の理解と…

メキシコシティの家探しと都市の輪郭

メキシコシティで家を買おうかと思い、色々と見て回っている。予算的に新築は買えず、中古でいいので、そこそこいい場所がいいなと思うのだが、いい場所で予算に見合う物件というものは何かしら訳アリであることが多く、今回見た物件もそうだった。 土地とい…

Selenaとか人種とか

NetflixでSelenaを見ている。主人公はテキサス発祥のラテン音楽、テハーノ・ミュージックで有名な女性歌手で、20代半ばの若さでファンクラブのマネージャーに射殺されるという、悲劇的な最期を迎えたことでも有名だ。ラテン、ヒスパニック、テハーノ、様々な…

トルティーヤの値上がり

メキシコの主食、トルティーヤがどんどん値上がりしている。3月の統計では、年率6.15%の上昇となったらしく、これはインフレ率を上回る。 自分の周りでは、キロ当たり12-15ペソくらいで売っているが、この間通りがかった店では、値段を含めて作った看板に12…

代償行為としてのアメリカ行き

アメリカに行ってきた。そして、帰ってきてからのコロナの隔離期間は10日ほどになる。今回は無事のようだ。 元々は今年の5月に行く予定で、コロナで1度航空券の予定変更をしていた。変更した当時は、12月ならおさまっているだろうと思っていたのだが、まった…

極私的なアメリカ大統領選

アメリカ大統領選、まあ終わったということでいいと思うが、なんだかんだ言ってトランプの間、アメリカは経済が良かったんだなと思う。特に、ヒスパニック(中南米系)の多いテキサス、アリゾナ、フロリダといった南部の経済は相対的にマシだったようだ。 通…

隣国という視線

隣国というのは、世界中のどこでもその国にとって概ねややこしいもので、特に、隣国に対するメディアの取り上げ方には、独特の偏りを感じることが多い。 ネットは見出しが命ということで、日本メディアの韓国煽り見出しや崩壊論なんかもそうだろうし、EUとし…

CHUWI CoreBook Proレビューと長い前説

※バッテリーが膨張してキーボードを持ち上げてしまう状態になった。海外通販の故障はどんなサポートになるのか、顛末を追記(2022年4月) -- コロナで仕事や学校の風景はがらりと変わり、リモートが当たり前になった。ある程度移動も含めた異なる場所での作…

それでも経済再開のなぜ

この記事にあるように、なぜいくつかの国が感染者数が全く減っていないのに経済を再開していくのかという話は、ここメキシコでの視点と他では大きく異なる気がする。 「インフォーマル経済」はメキシコ経済のキーワードの一つだが、都市で個人の小商いをして…

5G端末とメキシコ

そろそろ嫁のOnePlus 5Tを買い換えようかなあと思いながら、Aliexpressなどを眺めている。中国はもう5Gの端末が当たり前のようになっているが、4Gスタートの時と同じように当初はなかなか単一モデルで世界中をカバーするのが難しく、エリア毎に異なったバン…

海外生活一年目の食生活を振り返る

コロナのおかげで海外生活も一年になったなあと思いにふける時間もあまりなく、とは言え時だけは過ぎていくが、振り返ると、これを取り入れてから日々の食生活が豊かになったなあと思うものが3つあったので、ちょっと書き残しておきたい。 特に苦労して探さ…

メキシコで車を買った

メキシコで車を買った。メキシコは車社会の上、幼児がいて、嫁の実家は地下鉄の駅から歩いて20分以上というような状況だと、車がどうしても必要になる。中古車を当初探したのだが、年数があってもあまり値段が落ちてこないマーケットのようで、新車になって…

Titanセキュリティキーが売ってない

iOS13.3からSafariが二段階認証のセキュリティキーに対応したこともあり、GoogleのTITANキーを購入と行きたかったが、メキシコのGoogleストアでは販売されていない。仕方ないので、Amazon.comからOEM元のFeitian社のものを買った。輸入送料込みで46ドル。Goo…

語学学校にて

スペイン語が全く喋れない状態でメキシコに来たので、語学学校に通っている。 メキシコは興味深いが、ビザも永住者になってしまうと、好きとか嫌いとかの次元を超えて付き合って行かざるを得ないので、まあ大抵のことはそんなもんかと思いながら暮らしている…

ここ10年の日本の負け方

経産省系のシンクタンクの人が、「なぜ日本は電子部品の分野で競争力を失ったか」という文を載せていた。 voxeu.org よく「日本の失われた30年」という言い方をされるが、ここ10年くらいの負け方と、バブル後の話は少し別のような気がしている。 iPhoneが大…