私のFintechコレクション

Apple Payあたりからか、海外の金融サービスをいくつか使ってみたいと思い始め、コツコツと口座を開いている。

もともと鉄道マニアで、交通カードを集めたりしていた少年時代だったので、まあやっていることはあまり変わらないが、今いくつあるのかよく分からなくなってきたので、書き出してみることにした。

 

アメリ

iTunesの海外アカウントやら海外通販を使い始めたらドル決済が多くなってきて、クレジットカードが欲しいなあと思ったところから、興味を持ち始めた気がする。
アメリカの場合、クレジットカードはクレジットヒストリーをきちんと作らないと作れないが、預金をそのまま使うデビットカードなら比較的ゆるめということで、PayPal Cash Cardを作ってみたのが始まりだった。

大抵のサービスが、開設時に個人証明(運転免許証が多いが、パスポートでも行けることも)とSSN(社会保障番号、日本のマイナンバーみたいなもの)、携帯番号、アメリカの住所を求めるが、SSNが必要ないものをなんとか探すしかない。
住所は転送サービスのもの、携帯番号は、アメリカの番号をタダでくれるようなサービス(textplusとか、Google Voice)あたりで突破できるものの、SSNは海外在住者にとってそう簡単に取れるものではない。

銀行口座が欲しい場合は、日本人なら三菱UFJアメリカ子会社、UnionBankの開設が最も簡単だと思う。サイトから開設書類を送るように依頼できる。
実店舗ではハワイ州で日本人非居住者も受け付ける銀行があるようだが、他のところでは大体断られる。

アメリカの銀行間送金はACHが便利で、数日ほど時間がかかるが大抵無料で使えるケースが多い。国内送金扱いの口座があると利便性を実感できる。

ApplePayとかGoogle Payも大抵の銀行が対応している。UnionBankに普通に申し込むと電話番号が日本の番号になっているケースが多いので、カスタマーサポートに電話して、アメリカの電話番号に変えてもらおう。
これでSMSやメールでの認証が上手くいくようになる。

ちなみにUnionBankのForeign transaction feeは2%で、アメリカの銀行の中では比較的ましな部類に入る。ここに比較がある。

 

■中国

数年前までは、銀行の支店に行って、パスポートと現地の携帯番号さえあれば口座が開けた中国。今はかなり厳しくなっている模様。ただ同じ銀行でも対応が微妙に違うというケースは多いので、いくつか当たってみるとよい気がする。
在住者で長期のビザを持っていれば、もちろん簡単に開設できる。

WeChat Payとか、支付宝での支払いはなぜかゲーム感覚で楽しい。今や現地生活に必須となり、ここまで来ると旅行者差別のようなレベルだ。
両サービスはもはや銀行を凌駕しており、送金は大抵このどちらかでやってしまうのが楽だし、投資も銀行より利率が高い。

ただし、中国はルールが後付けでコロコロ変わるのが特徴。少し困るのが、外国人にだけ規制がかかるケースで、両サービスとも投資商品の購入や、海外での利用は今のところできない。また、しばしば追加の個人情報取得依頼が来る。

中国の企業はもともと国営のものと、純粋な民間のものがある。大体大きな銀行は国営で、サービスが良いのは民間のものという感じだ。口座を開設すると、銀聯マークの入ったデビットカードをその場でくれるが、日本で預金を引き出そうとすると結構銀行によって手数料が異なるのに注意。また、中国国内でも、省をまたぐと少額のATM利用料がかかる。

日本人の場合、IDがパスポート番号になるので、10年とか5年に一度銀行の窓口に出頭して、口座情報をアップデートしなくてはいけない。
日本のパスポートには過去の番号が記載されないため、中国にある日本大使館の領事部で証明を取る必要がある。

 

■ヨーロッパ

ACHを使ったら、SEPAも使えるようにしておくのが紳士のたしなみと言えるだろう。EU圏の銀行はSEPAと呼ばれる共通のコードシステムがあり、域内は国境を越えほぼ無料で送金ができる。

ヨーロッパは国境を超えるニーズが多いので、チャレンジャーバンクはこの辺で特色を出すケースが多い。例えばクレジットやデビットカードは自国通貨建て以外の決済で3%くらい手数料を取るが、これが0になる。

N26、Revolut、Banq、Monzo、Monese、TransferWiseなどがオンラインで口座開設でき、デビットカードを送ってくれる。Bitwala、RevolutはBitcoinも扱う。ApplePay、Google Payも順次対応されてきている。
尚、N26やMonzoなどはアメリカにも進出しているが、SSNなどのKYCチェックは厳しそうだ。

開設にはIDとしてパスポートと、ヨーロッパの住所が必要。携帯電話はどの国のものでもよさそうだが、サービスによっては住所を証明するのに、公共料金の支払い票の提示を求めることがある。とはいえ、Appのオンラインビデオチャットと画像のアップロードで解決するので、現地に友人がいるなど、なにか手があれば挑戦してみたらいいと思う。私は畳の部屋からビデオチャットしました。

N26が大半の人に便利で手数料が安いと思われる。特に海外でのATM利用料や為替レートの上乗せがない上、ユーロ圏のATM手数料もほぼ0だ。

ちなみに私はMoneseを使っているが、「クレジットチェックなし、住所の証明不要!」と最初に書かれていた点に惹かれたことは否定できない。

 

■メキシコ

メキシコにもチャレンジャーバンクがある。AlboやHey BancoなどはAppもよく出来ていて、それなりに便利だ。
ただし、開設時にメキシコ政府発行のIDカードを要求されるため、滞在資格を持つ在住者のみが可能で、旅行者で開設出来たところは一つもなかった。

尚、HSBCもローカルの銀行を買収して大手の一行となっており、みんな大好きHSBC Premierは預金残高750,000ペソ以上で資格を取れる。シンガポールと比べると1/4くらいの金額だ。
Premierの顧客に対しては、HSBCが展開する他の国での口座開設サポートをしてくれるので、各国の口座を開設しやすくなるかもしれない。

 

■日本

新生銀行ソニー銀行楽天銀行イオン銀行、三井住友プレスティアあたりが海外に強い感じだが、最近は新生銀行の改悪が激しい。
単にドルやユーロの決済をしたい場合は、ソニー銀行のMoneyKitが便利だろう。オンライン、店頭でのデビットカード利用では、外貨預金からそのまま手数料がかからず現地通貨で支払える。

海外のATM利用が多い場合はイオン銀行、海外送金は楽天銀行、日本人の日本非居住者はプレスティア、という感じだろうか。
あおぞら銀行のBANKはあまり海外ではメリットがなさそうだった。

日本からの国際送金は、50万を下回るようだとTransferWiseが大体安い気がする。それ以上だと、楽天銀行や、プレスティアあたりの銀行送金が手数料で定額になるので安い。

Bitcoinも送金は一瞬なので便利なのだが、パーセントで手数料を引かれるので、大きな額になるとメリットは少なくなる。ただ、ほぼ今週は上がるだろうという予測がつくようなタイミングであれば、海外の取引所へ送金して換金するのも悪くないと思う。

取引所が禁止されてしまった中国へのBitcoin送金は悩ましいところだが、ユーザー間の取引という形で引き続きルートはある。Bixinとかがまあそれなりに便利そうだが、チャットで中国語のメッセージが飛んでくるとひやりとする。


■その他

アフリカのモバイル決済(Orange MoneyとかM-Pesa)あたりも少し興味があるが、最近行っていないのでよくわからない。

あと大きいのはインド、それから韓国あたりかなあと思うが、どちらもかなりハードルは高そうだ。