「メキシコ系米国人・移民の歴史」

「メキシコ系米国人・移民の歴史」図書館で借りて読んだが、7,000円もするのかこの本。

メキシコを知るにつれ、日本では大抵のメキシコのイメージはアメリカからの借用が多くて、タコベルなんかのテックスメックス料理に始まり、ブリトーもどちらかというと北のほうの食べもの、シンコ・デ・マヨもメキシコシティではあまりピンとこないらしい・・と色々自分の中のイメージが変わった経験がある。

 

まあだからと言って視点からアメリカの影響を排除すればいいかというと、ブリトーに象徴されるように、メキシコも大きな国なのでエリアによって当然それぞれ違い、北のアメリカ国境地帯に近いカルチャーはかなり異なる。そもそも全体的に、日本と比べてよっぽどアメリカナイズされている生活なのは間違いないので、あまり現実的でもない。

音楽なんかが最も先端的で、ラティーノ音楽は人的才能を移民から、主に産業基盤や流通はアメリカを一旦挟んで、中南米で流行るというダイナミックな動きをしている。

 

そういう意味では、アメリカのヒスパニックをもうちょっと知ったほうがきちっと意味がわかるだろうし、メキシコでの先住民への視線なんかにそのまま同化してもあまり良い行いとも言えない、という両者を揺れ動くしかない。

歴史的にアメリカの人種差別構造とメキシコの差別構造は全く異なっている点なんかがこの本でよく説明されているのだが、なかなか興味深かった。