沖縄

沖縄へ行ってきた。

  • 寒いのはいやだ
  • 12/8から就航のスカイマークの那覇行き成田シャトルに乗りたい
  • 外人住宅と呼ばれる家に一度泊まってみよう
  • ジミーのアップルパイとか、アメリカンなステーキあたりが食べたい
  • 沖縄っぽい街並が見られるところに行きたい
  • 沖縄にはヒュンダイを貸すレンタカー屋があるらしい
  • アメリカと向き合った街あたりをちょっと見てみたい

と大体こんなところが理由か。

東京を発つころには自分もバッチリ風邪を引いていたが、着いた沖縄はどんよりしていて1月並みの気温に。レンタカー屋のお姉さんも風邪を引いていた。気温19度でも風邪をひく沖縄人は素敵だ。

 

とりあえず2泊で、1泊は外人住宅、もう1泊はどこかの島に行こうと考える。最初はゲストハウス、島に行ったらメシ付きがいいので民宿を予約することにした。海外の一人旅でもそうだが初めは寂しくなったりするものなので、初日は話し相手に事欠かないゲストハウスとか日本人宿に泊まると気が落ち着いて良い。一人旅ばっかりでこういうスキルだけが上がってきた気がするが、旅行に行かないよりはマシだろう。

初日は話し込むものの一人も好きというややこしい性格のため、結局こういう宿からは割にすぐ出てしまうのだが、どうあれ安宿のインフラは実にありがたい。沖縄は第三次のゲストハウスブームなんだそうだ。

外人住宅やら古民家を改造したお店やらが沖縄で流行っているが、いくつか宿にもなっている。今回泊まったゲストハウスもそうだが、築50年くらいと古いものの、バストイレは2部屋あったりするなど、ゆったりした間取りなのが特徴。基地内の住宅建築に携わった業者がそのノウハウで作っていったとか。洋風のバスタブをタイルで作っていたりとか、なかなか興味深かった。

 

色々と沖縄の建築史も面白い。沖縄の建築ブームは返還後の海洋博のころなのだけど、二泊目に泊まった伊是名島の民宿は、最初は海洋博の作業員用の施設を買って部屋に転用して始めたんだそうだ。

伊是名島。癒しとかリゾートは罰ゲームにしか見えず、有名な小浜島とか竹富島の話を聞いてもちっとも行きたくならないというところが沖縄を敬遠していた理由だったことから、この島はそういう意味での妥協点にはなるなあと、後で思った。琉球家屋は国の重文のものがあるし、みんなビーチに遊びにくるので民宿は山のようにあるが、シーズンオフは静かな島だ。そして、島の経済構造として土建業比率が高く、観光客はまあその次だな、という感もある。

 

 

あと沖縄の魅力は、月並みですが色々な文化の受容のしかたなんだろうなあと。

食文化と流通、まあファストフードとかスーパーなんかにもかなり独自性がある沖縄だが、米軍の是非を超えてアメリカを受容していることは間違いない。とはいえそれが一時代のものとして少しずつ風化したり空洞化している部分もあり、それがまた何ともいえない。

 それぞれ金武の新開地はキャンプハンセン、コザは嘉手納基地の前の街として発展したようだが、アーケードやメインストリートの寂れ方は見事で、人通りもまばらだった。個人的にはこういう何かを偲ばせる味がある街が好きだし、ネットで検索したら「日本DEEP案内」が沢山ヒットするなどして好事家には愛されているようだが、それは喜ばしいというものでもないだろう。

 

 そもそも米軍として駐留している人数も、思いやり予算の関係で水増しの人数になっているものの、実質かなりがグアムあたりに移転しているという話も聞く。

国道58号線沿いにはアメリカ家具の中古を扱う店が多いが、古ぼけた看板に「芝刈り機、バーベキュー台・・」などと書かれており、ああ、これが憧れたアメリカ文化だったんだなあとしみじみ思ったが、今時芝刈り機もバーベキュー台もドン・キホーテで安く買えるものに成り果ててしまった。

イオンモールは賑わっていて国際色豊かな人々という感じだったし、Jimmy'sの店内は幸せを撒き散らしていたし、A&Wはドライブインとして主張していたが、それはどこか残酷な日常と変わらない。まあゲストハウスの隣に住む米軍の家族も、今や好きな日本食は「CoCo壱番屋」だそうだから、どちらもそんなもんなんだろうけども。

 

そしてレンタカー。Vitzやフィットを借りるくらいなら、ヒュンダイi30の方がかなりマシだと改めて思った。そもそもレンタカーにも向いてる車だが、本気で導入したのは沖縄の会社くらいというのは、どことなく日本的思考を超えた合理性を勝手に感じたのだが、これホントにどういう理由なんだろうか。

飛行機もスカイマークで、空港の乗り降り4回中3回が沖止めという相変わらずの仕打ちだが、行き帰りそれぞれ1万円以下なので文句も全くない。成田発は空いていた上にピカピカの新造機で、蛍光灯が全部LEDという最新式。LCCもどう考えても合理的な選択なのだが、戻った日の成田発那覇最終便はまた欠航だったようだ。成田シャトルは欠航すると振替が一切ないので、これだけは大変になってしまう。

 

今回はサム・シェパードの「モーテル・クロニクルズ」が旅の本。
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